ビオチンの効果

ビオチンとは

 爪や皮膚を強くする成分ビオチン」。
あまり聞き慣れない名前かもしれませんが、私たちの健康や美容に深く関わっています。

 ビオチンは水溶性ビタミンの一種でビタミンB7とも呼ばれます。

 体の代謝酵素にとても関係しており、糖代謝に関与する酵素や脂肪酸代謝、アミノ酸代謝に関わる酵素などを助ける補酵素として重要な役割があります。

 そしてこのビオチンはタンパク質生成にも関わっており、皮膚を作る細胞を活性化させ、老廃物の排泄を促し、正しい皮膚機能を維持するための大きな役割があります。
 女性なら誰もがご存知のコラーゲンやセラミドの体内生成を促して、美肌効果に不可欠な成分です。

 爪は皮膚が変化したものです。
皮膚の健全化と爪の健康とは大きな関わりがあります。

ビオチン欠乏症

 そんな爪と皮膚に大切なビオチンですが、ビオチン欠乏症という疾患があります。
 名前の通り、ビオチンが足りなくなるために様々な異常が起こります。

湿疹や炎症など皮膚異常

白髪や脱毛

筋肉痛や疲労感

代謝異常や血糖値上昇

睡眠障害や精神障害

食欲不振など

 ここに挙げ切らないほど、体全体に大きなダメージを与えます。

 ただし、完全なビオチン欠乏症になることは稀です。
生まれもって遺伝的欠損があったり、抗生物質やストレスなど過剰な生活環境の悪化によって起こります。

 現在、日本ではビオチン療法というものがあり、糖尿病やアトピー性皮膚炎、強皮症など代謝障害や免疫異常から来る疾患はすべてビオチン不足が見られるという検証を元に、ビオチン投与による治療方法です。

全国的に行われている療法ではないため、どこの病院でも受けられる訳ではありません。)

割れ爪や爪の奇形にビオチンの効果

 爪は健康のバロメーターと言われるように、爪を見ることでその人の健康状態を予測する事ができるそうです。

 それは、体の免疫反応と大きな関わりを持っているからとも言えます。

 胃腸が弱い方やアトピーなど皮膚の免疫異常がある方に、爪の奇形や薄爪、割れ爪が多いものそのためかもしれません。

 ビオチンは、皮膚の代謝を促進して健康な肌を作る手助けをしてくれる、女性にとって嬉しい成分ですが、そのビオチンによって、その他の代謝障害や免疫異常にも効果的な作用があるようです。
 美爪サプリの効果が話題になるのも納得できます。

ビオチン不足になる原因

 日常の生活習慣の中にも、ビオチン不足に陥る原因となるものがあります。
 喫煙やアルコール摂取、生卵の過剰摂取も要因となります。
(生卵にはビオチンを別の物質に変える成分が含まれています。)

 また、抗生物質薬やストレスなどにも影響を受けます。
実は通常、ビオチンは腸内善玉菌の活動によって生成されます。そのため、ストレスや抗生物質はもとより、体に悪影響のある習慣によってビオチン不足が起こってきます。

 慢性的な便秘や頻繁な下痢も腸内環境を崩して悪玉菌が優勢になってしまうので、ビオチンが足りないという事も起こってきます。

アトピーの悪循環

 皮膚の免疫異常にアトピー疾患があります。

 ビオチン療法では、アトピーやアレルギー性疾患もビオチン低下を改善することで治療しますが、アトピーで使われるステロイド剤やプロトピックなどの抗生物質はビオチン不足の悪化を招き、悪循環が起こると言います。

 たしかに、ステロイドやプロトピックは体の免疫力を弱めて、アトピーの過剰な反応を抑え改善させる効果が目的であり、根本的な治療薬とはいえない現状があります。
 そのため、これら抗生物質による治療の長期化、リバウンドなど副作用の情報が後を絶ちません。

 もちろん、医師から処方された薬の急な使用停止は、どんな影響があるか分からず危険ですが、長期でアトピーを患っている方には、その他の療法も平行して考えてみると良いかもしれません。

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